長年の経験が物を言う。
「あ、はいはい。ええですよ。も、好きにして下さい」
いやや言うても聞く人とちゃうし、何か言うだけ気力と体力と時間の無駄や。
ハブドームでもゴーヤードームでも東京ドームでももう何でもええわ……
「いやに協力的だな」
「諦めの境地、と言うて下さい」
あー、明日非番で良かった。
***
帰りの車ん中。
運転は隊長。
しかし……、沖縄産業界もこんなもんよう作る……
「あれっなんや、沖縄の会社とちゃうんや」
「うん?」
「沖縄限定発売、っちゅーから、県内企業が作ってんのと思った。ハブの毒でも入ってんのかな。媚薬効果とかがあったりして」
「それは流石にないだろう。ハブの毒に媚薬効果があると言うのは聞いた事がない」
「本当の意味で一撃必殺、ではありそうですけどねえ。……あ、書いてある」
「ハブの毒?」
「や、『狙った獲物は逃さない!』」
あ、隊長が笑った。
つられて俺も笑てまう。
車ん中で、手にはハブドーム持って、二人で和んで。
……ごっつシュールや……。
「安心しろ」
「はい?」
「媚薬なんか使わなくても満足させてやる」
「……、やっ、ちょ、こん人恥ずかしい……!」
「正直ちょっと燃えている」
「ぎゃ〜〜!?」
***
「……で、どうでした?」
「ん」
「ハブドームの着け心地ー」
「……これと言って、特に……」
「はは。そんじゃ期待外れでしたね」
「そうでもない」
「へ」
「着け心地は普通だったが、そこに至るまでの経緯で十分楽しめた」
「……そ、そう、です、か」
「お前も普段より感じていたようだし」
「なっ!い、言い掛かりです!」
「そうか?」
「そうです!……多分」
「では、プラシーボ効果だな」
「プラシーボ……偽薬効果って奴ですか?」
「ああ。ラテン語で、「私を喜ばせる」と言う意味らしいぞ」
「……も、なんか色々勘弁してください……」
***
媚薬と偽薬の間で翻弄されて撃沈。
ハブドームはネタ用だと言う事で一つだけ使って非常用にタンスに保存された。
ご利用は計画的に。
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