もうちょっとおって 1
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「何でおんねん」
出会い頭に喰らうにはあまり有難くない挨拶である。 「……敢えて言うなら、わしが二隊だからじゃろうか……」
ああ、と嶋本は今更思い当たったように頭を掻いた。
「そうやったな。……どうや、二隊は」
苦笑する元教官の顔をまじまじと見つめて、大羽は首を捻った。
「軍曹、……あ、いや……嶋本隊長」
一瞬嶋本が瞠目するのを見逃さなかった。 「……ほならそうなんちゃうか」 目の前にいる嶋本の声が、どうして遠いと感じたのか、大羽にはまだ判らなかった。
「軍曹」
頭一つ半低い所から見上げられているのに、その不愉快を顕わにした視線に圧迫される。 「……わしで良けりゃあ、その、相談に……」
今度こそしっかりと嶋本は瞠目した。 「ヒヨコに心配されるなんぞ、俺もヤキが回ったもんやの」 そのまま踵を返すと、嶋本は基地内に戻って行く。
「軍そ……」 追いかけようと踏み出した右足が地を蹴る前に、振り向かないままの嶋本の背中が答える。
「今日、何もなくて、当直が明けたら自分の部屋行くわ……それでええやろ」
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SugakoSatoh@√310