沈む身体3
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泣いているのを見られるのは何度目だ、なんて ***
叫んだ拍子に涙は止まった。
「行くななんて、言いません」
絶対に口にはしないけれど、言いたかったかも知れない。 「けど?」
引き寄せられたまま、短い声は火照った身体になお熱い。
て言うかどういうつもりでこん人は。
ぐるぐる迷った末に嶋本が出した答えは、「しくったら全部酒の所為にしよう」だった。 「……一年や言うても……隊長暫く見れんのはやっぱり、……淋しいですよ」
そうだ。
これまで大地に深々と張っていた根を急に引き摺り出されたら、そりゃあ大きな穴が開く。 ……でもそれだけではない気がする。 「隊長の無茶、……今度誰が止めんのかな……」
貴方の隣に、誰がいるんだろう。
見惚れて吐き出した息に、真田の指が触れる。
「嶋本」 ――あかん。 「お前がいない所に行くのは、淋しいよ」
――あかん。
言ってはいけない言葉が飛び出しそうで、ぎゅっと目を閉じた。 ――――ああ、溺れる……! 触れた唇はとても優しく温かかったのに、指先が白くなるほどに必死に真田にしがみ付く。
頭の上で、誘蛾灯が、じり、と音を立てた。 |
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SugakoSatoh@√310