貴方がこんな吐息を吐くなんて。
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目隠しの上から唇をあてると、僅かに窪んだ眼窩のカーブを滑らせた。
なめらかな布が唇に冷たく柔らかい。
この下には、嶋本が大好きな片方だけ二重の瞳が隠されている。
頬に唇を落としながら、シャツのボタンを外していく。
見られてないと思えば、こうもスムーズに行くのだ。
よっぽどその視線に翻弄されている、と思う。
ボタンをすべて外し終えると、隙間から指を差し入れ、鎖骨をなぞる。
何度か往復させると、鍛えられた胸に手の平を宛がった。
じんわりと体温が手の平に伝わる。
いつもより熱く感じるのと同時に、手の平に伝わる鼓動が、これまでになく早く脈打っている事に気付いた。
――隊長も、案外緊張してんのかな。
そう思うと、いつも自分を良いように蕩けさせて翻弄させている真田と比べてしまっておかしくなった。
「嶋本。笑っているな?」
「え……判りました?」
「判る」
少し拗ねたような口調に、また笑いが浮かんできてしまう。
それも伝わってしまったのか、しまもと、と咎めるように呼ばれた。
真田は膝の上の嶋本のシャツを手探りで掴むとあたりをつけて、口付けてきた。
「あ、……駄目、っすよ」
深く合わさる前に肩を押して、ソファに押し戻す。
「全部脱がすまで、触ったらあかん」
消化不良のキスに、不条理な命令をされた真田はどう思っているだろう。
表情は目隠しの所為で眉を寄せていても余り判らないのだけれど、なんとなく思っている事は伝わる。
口元は不機嫌そうに結ばれているけれど。
「……実はちょっと、この状況に興奮してはるでしょ、隊長」
異論を唱える前に、その薄い唇を覆ってしまった。
何度か啄ばんだ後舌を差し入れて、絡めてやる。
そのくせ、真田が応戦しようと動くと、すっと唇と身体を離す。
鎖骨から手を滑らせて、シャツを落とすと、もう一度胸の筋肉をなぞる。
「ええですか。全部脱がすまで、隊長が俺に触ったらあきませんよ。……出来ますね?」
鎖骨を軽く甘噛みして、舌を這わせる。
洗練されつくした身体に、うっすらと汗が浮かぶ。
悪戯心を触発されて、左胸の突起を舌で舐めると、真田の身体がぴくり、と動いた。
その喉がは、と吐息を漏らすと、目の奧がかっと熱くなった。
――もっと触りたい。
乳首を舐め上げながら、ズボンの上から少し形を成してきたそれを撫でる。
ソファの上で結ばれた拳に、それでも無理にやめさせようと言う意図は感じられない。
両手は戒めていないのだから、本当に嫌なら目隠しをかなぐり捨てる事だって出来るのだ。
ベルトの金具を外して、ジッパーを下ろすと今度は下着の上からゆっくり扱いた。
「……く」
ぞくぞく、と背筋が戦慄いた。
あの、真田が。
嶋本が少し触れただけで切ない吐息を漏らしている。
言いつけを守って、嶋本に触れてもいないのに、下着の布の下で着実に固く、熱くなっていく。
「嶋本……」
「……隊長、凄いいやらしい……俺、まだ直に触ってへんのに」
「……、」
指を動かすのをやめないで、嶋本は真田の耳朶に舌を這わせた。
熱い息を伴った囁きが、どんな身体の変化を促すかなど、一目瞭然だ。
汗ばんだ肩口が、吐息と共に震えた。
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